自らの使命を生きることを通して果たしていける社会の実現

カリキュラム

 ふくやまシュタイナー学園では、算数・国語・社会…などの教科の枠を設けていません。これは、『算数』を学ぶ、『国語』を学ぶといった学ぶべき内容(知識)が前提としてあるのではないからです。たとえば小学校低学年の授業では、教師が語るお話のなかに子どもたちがしっかりとこころとからだを浸らせることを大切にします。お話に浸り楽しむなかで、公立学校での経験を生かし学習指導要領に示された学習内容も教えられるようにします。

~エポック授業~
 シュタイナー学校のメインレッスンがエポック授業です。ゆったりとした時間をとり、じっくりと一つのテーマに浸って学んでいきます。教科書を使わず、教師の語りから子どもひとりひとりがお話をイメージし、絵や文に表現していきます。そのノートが子どもたちひとりひとりの教科書のようになります。
 たとえば、4年生頃の古事記をテーマとした授業では、ベースとしてお話に浸り楽しむことがありますが、その学びのなかに国語の文法の要素を含ませたり、あるいは社会の地図の学びを含ませたりします。
 教科ごとに区切られた学習と比べると、エポック授業のよさは、自分が住むこの世界のことへ自分自身が興味をもち知ることのできる、ゆったりとした時間がもてることだと思います。
※エポック:それまでの時代とは違った意義・特色をもつ時代、新時代という意

~オイリュトミー~
 ルドルフ・シュタイナーが生み出した運動芸術です。シュタイナー学校では、算数、国語などと並ぶ教科のひとつです。言葉を動くなどといわれます。オイリュトミーは、人が自分らしく育っていくときに、とても重要なものになりえます。シュタイナー教育では、たとえば文字を学ぶときに知識としてのみ習得するのではなく、オイリュトミーの動きを動き、こころとからだでその文字を感じることを大切にしています。

〜フォルメン〜
 線描画。線を味わう時間です。線が描き出す形や幾何学模様の美しさを感じます。例えば、2年生算数で「三角形は3つの頂点、辺のある図形」と定義を学びます。そして、三角形の作図などへ進みます。シュタイナー学校では、まずからだを動かします。そして、フリーハンドで三角形を使った美しい図形を描きます。こうすることで、三角形というものがからだとこころに染み入ります。そうしてやっと、定義を学びます。
※フォルメンとは 線を描くことで、ものの形を理解する芸術教育。

 『エポック授業』、『オイリュトミー』、『練習』などの時間はそれぞれがつながり合っています。
 文字をテーマとするエポック授業で子どもたちはお話の世界に浸り、その場面(ことば)をからだで動き、描き、文章で現わします。そこで学んだ内容(漢字、段落のつかい方、要約のしかたなど)を練習の時間に復習します。
 数をテーマとするエポック授業では分数に触れ、その後、音楽の授業において楽譜の読み書きの学びへとつなげていきます。
 さらに、オイリュトミーの授業でことばの性質を積み重ねたり、リズムをからだに染みこませたりするため、エポック等で学んだときに子どもたちが頭で理解するのではなく、「あ、これなんだかわかる…」とこころやからだで感じてくれるようになることを願っています。

以下は時間割の例です。